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なぜ、反省が必要なのか

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高みをめざすから反省がある

 東洋思想研究の権威として知られる安岡正篤師によると、私たち人間は「少しでも高く、尊く、大いなる存在に向かおうとする本能」をもっていて、そのはたらきによって神仏を仰ぎ、敬う心が生まれるといいます。同時に、人としての高みをめざすがゆえに、自分に至らないところがあると気づいたときには、それを省みて恥じる心が生じると述べています。つまり、反省や懴悔が人間の心を育て、ひいては人類の進歩や向上を支えてきたということです。 

  ところが、一般的に反省や懴悔は、不名誉なものと思われがちです。とくに懴悔は、不名誉なものと思われがちです。とくに懴悔は、「自分のおかした罪悪に気づき、それを神仏や他人に正直に話して悔い改めることを誓う」と辞書にあるので、その言葉の印象からか、否定的で暗いイメージをもたれています。そのため、失敗をしても反省したり、人前で懴悔したりするのは「恥ずかしくていやだ、情けない」と思う人がいるのでしょう。 

 しかし、理想とする存在や人間的向上をめざせばこそ、反省や懺悔の心が起きるとすれば、反省や懴悔は向上を求める前向きな意思のあらわれです。情けなくて、みじめなことではなくて、むしろ失敗や挫折に恥じ入りながら向上していくのが、人間の当たり前の姿なのだと思います。 

 懴悔をテーマとする仏説観普賢菩薩行法経(以下、観普賢経)というお経があります。どれほど精進しても私たちは雑念に惑わされますし、至らないことすべてに気づくわけではありませんから、いつでも反省、懴悔する心が大切で、それが精進と一体となるとき、成長が促されるといことです。繰り返しになりますが、反省も懴悔も、私たちが理想を求めて生きていることから生じるものです。それはいわば、仏性のはたらきによる向上の証であり、菩薩の証明です。だとすれば、反省や懴悔ができること自体が、尊く、有り難いことにほかならないといえるのではないでしょうか。 

何度も繰り返しながら 

先の東京オリンピックでは、「自分に足りない部分を見定めて、さらに上をめざします」といった敗者のコメントにも胸打たれましたが、このこと一つをとっても、人生において反省が向上と一つのものであることがわかります。 

  ただ反省したり懴悔したりしたことが守れずに、失敗と後悔を繰り返すことがあるのも人生です。そのなかで、「懴悔したからには、絶対に同じ過ちをおかしてはならない」と窮屈に考えると息苦しくなります。反省を生かそうと努め、あるいは信仰における懴悔を実行しようと励むことは大切ですが、そのことにとらわれすぎると、思うようにできない自分や人を責めるることにもなりかねません。 

 観普賢経には、「煩悩をすっかり断ち切っていなくても、けっして煩悩に溺れないこと。菩薩の行ないはそれが大切です」とあります。 「自分が弱くて間違いやすい人間であることを思い知ったら、新たな决定をし直せばいいのです。今年ダメだったら、来年は必ずと決心すればいい」と、至らない私たちに助け舟をだしています。 

  いいところも悪いところも含めて、神仏の前に自分のありのままをさらけだすと、心が洗われます。そしてまた、再始動すればいいのです。その反省や懴悔が精進の歩みを支える杖となって、少しずつ人間的に成長していくのです。 

 また、人はなすべき仕事に没頭しているときがもっとも神に近いとういう言葉にふれたことがあります。観普賢経に、「若し懴悔せんと欲せば 端座して実相を思え」とあるとおり、反省、懴悔をしたら、あとは自己中心の見方を離れて、日々を一生懸命に暮らすことが大切なのです。 

なぜ、反省が必要なのか

  1. 反省は、人間の心を成長させる。
  2. 反省は、人類の進歩や向上の支え。
  3. 反省は、人間の当たり前の姿である。
  4. 反省は、新たな決意の鍵となる。

なぜ反省が、必要なのだろうか。
人は知らずしらずのうちに、誰しも反省を繰り返しているのではないだろうか。
もちろん人によって、反省の捉え方というものは千差万別であり、良いとか悪いとかと言うこともない。

なぜ、反省が必要なのか。


何度も何度も同じことを問いかけてきたが、
反省とはネガティブにとらえて落ち込むものではない。

反省とは、自分自身の人生を一生懸命に生きようとする証ではないだろうか。
人は直ぐには変われない。 
反省を繰り返すことで、ちょっとずつちょっとずつ、人間として成長していけるのだろう。

反省・懴悔をしている時は、自身の心の中が『成長したい!』と、願っているのだ。
そんなふうに受け止めていけるようになっていきたいと思います。

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